残り一冊の週刊少年ジャンプ
この間、「ある雑誌」という記事で、かなり人気の雑誌を予約できたという話を書きました。人気商品って、発売前から話題になることが多いですよね。そんなことを思い返していたら、ふと昔の記憶が浮かんできたんです。
それが、子どもの頃の週刊少年ジャンプのことでした。
今でもジャンプは人気の漫画雑誌ですが、当時の熱量って本当にすごかったと思います。大げさじゃなく、街の本屋さんでもコンビニでも、発売日に山のように積まれていたんです。しかも、その山がどんどん減っていくんですよね。
私がよく行っていたお店では、雑誌コーナーの真ん中にジャンプが置かれていました。朝はまだ高く積まれているんですけど、夕方に行くともうかなり減っている。そして次の日には、他の雑誌は普通に残っているのに、ジャンプのところだけぽっかり空いていたりするんです。
棚の一角だけが穴みたいになっていて、「あ、ジャンプ全部なくなってる…」と子どもながらに驚いた記憶があります。
あの光景、今思い出しても面白いんですよね。雑誌の棚って普通は均等に減っていくはずなのに、ジャンプだけ極端に減るんです。あれはちょっとした社会現象だったのかもしれません。
そんな中で、いまでも覚えている出来事があります。
発売日の二日後くらいに、たまたま本屋さんに寄ったことがあったんです。正直、その時点でもう無いだろうなと思っていました。ジャンプって、本当にすぐ売り切れる印象だったので。
でも一応、棚を見に行ったんです。すると、そこに一冊だけ残っていました。
本当に、たった一冊だけ。
その瞬間、なんだかすごく嬉しくなったんですよね。「あ、残ってる…!」って。子どもだったので、ちょっと大げさなくらい心の中で喜んでいた気がします。
今思うと、その場で表紙を何度も確認していた気がします。たぶん「本当にジャンプですよね?」みたいな感じで。自分でも変な行動だなと思うんですけど、当時はそれくらい嬉しかったんでしょうね。あとで思い返して、ちょっとウケちゃいました。
レジに持っていったときも、なんだか特別なものを買ったような気分でした。家に帰る途中、袋の中のジャンプを何度も見てしまったのを覚えています。
今は電子書籍や配信サービスもありますし、漫画の読み方もだいぶ変わりましたよね。それはそれで便利ですし、良い時代だと思います。
でも、あの頃の「発売日に本屋へ行く」という文化には独特の楽しさがありました。棚の前で新刊を探す時間とか、最後の一冊を見つけたときの高揚感とか。そういう体験は紙の雑誌ならではだったのかもしれません。
人気作品が連載されていて、次の展開をみんなで待っている。あの頃のジャンプには、作品にかける夢というか、勢いのようなものがあった気がします。
たった一冊のジャンプを見つけただけの出来事なんですが、不思議とずっと覚えているんです。たぶん、あの時代の空気ごと記憶に残っているんでしょうね。今こうして思い出してみると、なんだか少し懐かしい気持ちになります。